- つい子どもに勉強しろと言ってしまう
- 言わない方がいいのは分かっているけど我慢できない
- 勉強のことになると言い合いになってしまって悩んでいる
そろそろ勉強しなさいっ!
今やろうと思ってたのにっ!
子どものためを思って言っているのに、その思いが伝わらないと悲しいですよね。
ですが、頭ごなしに「勉強しろ」と言い続けていても、お互いにストレスが貯まる一方。
では、どうすればこのやり取りを回避して、お子様が勉強してくれるようになるのでしょうか?
とるべき行動の大きな分類としては、次の2つです。
- 子どもへの接し方を変える
- 外部のサービスに頼る
では、具体的な行動をとるために必要なポイントを1つずつ見ていきましょう!
- 現役教育者
- 個別指導塾/講師 5年
- 集団塾運営/講師 4年
- 個別指導塾経営/運営 6年
- オンライン塾経営 3年目(現在)
個別指導塾で毎日平均3件の学習相談を計6年間実施してきた経験を元に解説をしていきます。
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勉強しろと親が子どもに言うのは逆効果
まずそもそもですが、
これが、前提となります。
勉強しろっ!
今読んでみてどう感じましたか?
少なくとも、いい気持ちはしないですよね。(他意はございませんが、気分を害してしまったら申し訳ございません。)
ご自身の経験からも、「勉強しろ」と言うことは効果的ではないと、なんとなくは納得されているのではないでしょうか?
では、なぜ勉強しろと言うことが逆効果なのでしょうか?
改めて聞かれると言葉にしにくい部分かと思いますので、その根拠についても確認していきましょう。
(実際にどうしたらいいか早く知りたい方は、勉強しろとつい言ってしまう親がとるべき行動5選まで進んでくださいね。)
なぜ勉強しろと言うことが逆効果なのか?
大きくは、
- 人は、他人の指示に反発したくなる性質を持っているから
- 勉強しろと言われた子の方が、成績が低い傾向にあるから
この2つが大きな根拠として挙げられます。
人は、他人の指示に反発したくなる性質があるから
心理学で言う、心理的リアクタンス効果というものにあたります。
「自由に行動できる権利をうばわれた」と感じると、「自分には自由があるハズだ!」と確認するために反対の行動をとりたくなること。
今回の例に当てはめると、
今やろうと思ってたのに、お母さんに言われたから逆にやる気なくなった
という反発ですね。
反対の行動をとりたくなる心理には2パターンあり、
やろうと思ってたことを「やれ」と指示されるとやりたくなくなる効果
やろうと思ってなかったことでも、「やっちゃダメ」と指示されるとやりたくなる効果
つまり、心理的な側面から子どもに勉強をするように促したいのであれば、
勉強ゼッタイにやっちゃダメだからね!
という声かけの方が心理的には効果があるというわけです。
心理的リアクタンスの観点から言えば、「勉強しろ」の良くない点は指示内容に自由度がないという点です。
勉強しろ
ではなく、
勉強何時から始めるの?
のように、自分の意志で選べる要素を残してあげるだけでも反発心は大きく減少できますよ!
次は、事実に基づいた根拠について述べます。
勉強しろと言われた子の方が成績が低い傾向にあるから
ベネッセで公開された調査・研究データ
第4回子育て生活基本調査(小中版) [2011年]
によると、第5章にて「子どもの学習」へのかかわり方についての報告があります。
横軸は『学年』、縦軸は『1日の学習時間(※塾などで学習する時間も含む)』を表しています。
グラフの特筆すべき点を抜粋しますと、
学年 | 声をかけない | 「勉強しろ」と声をかける |
---|---|---|
中1 | 74.6分 | 70.8分(3.8分少ない) |
中2 | 77.3分 | 70.6分(6.7分少ない) |
中3 | 124.2分 | 99.9分(24.3分少ない) |
中学生に関しては、
「勉強しろ」と声かけをされた子どもの方が、平均的な学習時間は少ない傾向にあった
ということです。
(※小学生に関しては、「勉強しろ」の声かけをされた子どもの方が、学習時間はやや多い結果となっておりました。)
学習時間については分かったけど、結局、学力や成績には関係するの?
という疑問に対する調査も行われています。
横軸は『学年』、縦軸は『学校のテストの点数(※)』です。
※縦軸の点数は、
・成績が真ん中 → 3点
・成績が真ん中より上 → 4点
という数値になっています。
どの学年においても例外なく、「勉強しろ」という声かけをする方が成績が低い傾向にある
ということです。
成績が元々良いから「勉強しろ」と言ってないだけなのでは?
確かに、「成績がいいから、勉強しろと声をかける必要がない」という要素も否定できません。
ですが、今回ご紹介したデータは、首都圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)を対象に
勉強しろと声をかける家庭の数:6024
声をかけない家庭の数:1290
合計:7314
4桁を超える家庭の意見が反映されたものであり、傾向として信頼に足る数であると言って差し支えないでしょう。
心理学的にも、事実的にも、「勉強しろ」という声かけが効果的でないことは明らかですね。
勉強しろと言っても大丈夫な場合もある?
補足になりますが、
そろそろ勉強しろー
はーい
このくらいの声かけで実際にお子様が行動できている場合は、過敏に不安になる必要はございません。
という思考回路がお子様の中にある場合は、むしろ親の言葉が学習開始の合図になっています。
今までの家庭教育の中で構築されてきた大切な関係性がある場合は、そのまま活用してください。
大学生のアルバイト講師たちの中には、親に「勉強しろ」と厳しく言われ続けたおかげで大学まで進学できた、という子もおりましたよ!
言っても中々やってくれなくなってきたと感じたら、その時に対策を講じていきましょう。
勉強しろとつい言ってしまう親がとるべき行動5選
では「勉強しろ」と言いたくなった時には、具体的にどのような対策をしていけば良いのでしょうか?
ここからは、親がとるべき行動について、面談でよく受ける相談内容を元に説明して参ります。
①まずは深呼吸をする
「勉強しろ!」と注意するのを我慢することができないんです・・・
保護者様から相談を受ける中で最も多い相談が、
我慢してしまうと自分のストレスになるから、ついキツくいってしまう
というものです。
もちろん、イラっとしてしまうお気持ちも重々分かります。。
感情的にイラッとして「勉強しろ!」と言ってしまう方に、まず取り組んでいただきたいことが深呼吸です。
一呼吸おくことで、お子様との不用意な軋轢を減らすことができますよ。
アンガーマネジメント(怒りの管理)とも言われます。
お金も時間もかかりませんので、まずは試してほしいです!
私と子どもたちとの実際の会話例
ねー、うしさん聞いてよ!
ん?どうした?
今日親に怒られたんだけど、絶対自分のストレス発散のために俺に当たってるだけだよ!
それもあるかも。ただ、子どものためを思うと口調が強くなっちゃうこともあるからさ。
保護者様の意図に反して、子どもがマイナスに感じ取ってしまうと勿体ないですよね。
②子どもの話を先に聞く
子どもが何をしたいのかが分からないんです・・・
次に多い相談が、お子様とのコミュニケーション不足です。
正確には、子どもから始まる会話の不足です。
ねー。今日学校でね!
へー。そんなことあったの!
宿題やったの!?
えー、これからやるよっ!
そういえば、最近は自分から怒ってばかりだなと思った方は、子どもの話を先に聞くことを心がけてみてください。
何事もそうですが、相手に自分の要求を聞き入れてほしい場合は、まず自分から聞き入れる姿勢が必要です。
勉強してほしい
という要求を子どもにする前にグッと堪えて、まずは子どもの話を聞いてあげてほしいのです。
私と子どもたちとの実際の会話例
ねー、学校つまらない
そうなんだ。学校が全てじゃないから、他に楽しいことあれば今はいいと思うよ!
楽しいことかぁ。あ、そうそう。最近面白いアニメが始まってさ!
へー。そうなんだ!アニメが好きなら、アニメーターとか漫画家とかもいいんじゃない?
えー、それは大変そう。おれには無理だよ。
そんなことないと思うよ!やってみたら得意が見つかるかも。
子どもから始まる会話の場合、子どもの言いたいことが軸になって会話が進みます。
お子様の今まで知らなかった考えを知れることで、会話の中から勉強の目標を一緒に決めていけることも多いです。
③自分が勉強している姿を見せる/一緒に学習計画を立てる
勉強しろと言ってばかりで自分ができていないです・・・
ここは多少の主観も入りますが、様々なご家庭様を見ていると、自発的に学習に取り組むお子様の親には
- 資格のための勉強を頑張っている
- 子供と一緒に学習計画を立てている
という姿勢の方が多いです。
人は、どんなに正しい内容であっても「誰に言われるか」を重視しがちな生き物です。
例えば、
お金を盗んではいけないよ
いや、説得力なさすぎ・・・
となりますよね。(勿論、お金は盗んではいけません。)
自分が勉強している姿を見せる、もしくは一緒に学習計画を立ててあげることで、言葉ではなく態度で伝えられるようになります。
私の場合
私の母親はスペイン語が好きで、スペイン語の勉強をしている姿をよく目にしていました。そういえば、勉強しろ、とは一言も言われませんでしたね。
④子どもが好きでやっていることを褒める
褒める所が見つからないんです・・・
これも非常に多い相談です。
褒めは子どもに勉強を促すためには超重要な要素のうちの一つで、子どもはとにかく褒めに飢えています。
アニメの話でもいいです。熱中しているゲームの話でもいいのです。
褒めは子どもにとって、あらゆる行動の原動力。
最初は勉強と関係ないところからでも、次第に他の事をやろうとする行動意欲にも繋がっていきますよ!
私と子どもたちとの実際の会話例
最近スマホゲームやめられなくて、勉強時間が確保できてないです。
へー、今何やってるの?
モンストって知ってます?
流石に知ってる(笑)毎日継続してやれること自体が単純にスゴイと思うから、むしろ尊敬するよ!
塾運営をしていて、講師たちの授業の様子を見る時に一番チェックしていたのが「生徒を心の底から褒めているか」です。
「褒め」は、教え方が上手いかどうかよりも、遥かに重要なポイントなのです。
⑤プロに頼る
結局どうしたらいいか分からない・・・
余裕がない・・・
ここまでは、親自身が頑張る方法を紹介してきました。
しかし、お仕事や家事などでそんな余裕はない・・・
という方もいらっしゃると思います。
そんな時こそプロに頼ってください。
保護者様をサポートする体制もしっかりしているサービスを選んでくださいね。
塾だからこそできること
家族でも友達でもない、第三者の立場である塾だからこそのメリットは、
です。
塾の先生は
- 子どもの話を聞くのが好き
- 子どもと一緒に勉強することが仕事
- 子どものやる気を引き出す褒め方を知っている
「勉強しろ」という表現こそしませんが、
「勉強してほしい」というメッセージをお子様に伝えるに最適な立場の存在です。
塾に頼るメリットは他にも様々ありますが、適切に学習管理してくれる塾であれば、
親が「勉強しろ」と言わなくても良くなる
という莫大なメリットを享受することができます。
親にこそ相談相手は必要です
塾に頼るメリットとしては、相談相手ができることも挙げられます。
塾に通っていただいている方であっても、定期的な相談は必要です。
基本的な学習管理は勿論のこと、細かな相談をできる場としても、学習塾を上手く利用していただきたいと思います。
子どもへの声かけ自体は大事
「勉強しろ」という言葉が逆効果である、という観点でお話をしてきました。
最後に補足になりますが、勉強に取り組んでもらうためのきっかけとして、声かけ自体は絶対的に必要です。
今まで声かけを工夫するなんて考えてもこなかった、という方は書籍で学ぶこともオススメしております。
例えば、【子育ては声かけが9割】は、様々な場面ごとに実用的な声かけ方法が網羅されており、1冊手元に置いておけば十分すぎる情報量になっています。
また、声かけの仕方を工夫するための学びとして最適な書籍は【伝わる! 声かけ変換】です。
どうやって声かけすれば自分の伝えたいことが子どもに伝わるだろう、と困った時に見直せるように役立つ1冊になっています。
私も参考にさせていただいております!
塾に頼る前に、まず声かけから工夫してみたい方は、是非お手にとってみてください。
勉強しろと言いたくなる親がとるべき行動まとめ
- イラッとしたらまず深呼吸
- 子どもの話を先に聞く
- 勉強している姿を見せる/一緒に勉強する
- 褒める
- 塾を頼る
上記5選を軸に、少しずつお子様に「勉強してほしい」という想いを届けていきましょう。
もし今、塾にも通っているけど全然フォローしてくれない。家だと結局全然勉強してくれない。とお悩みの方は、是非信頼できる先生か私の方までご相談ください。
私は現在、
塾で手の届かない部分をサポートできる親子向けサポートを完全オンライン形式で実施しております。
「勉強しろ」とお子様に言わなくて良くなるようにサポートをしてくれる存在は世の中に沢山ありますので、お一人で悩まないで相談してほしいです。
一人でも多くの保護者様が悩みを抱え込まなくて済むように、微力ながら今後も教育や塾に関する記事を書いていきます。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。一緒に子どもの未来をより良いものにしていきましょう。
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