スマホのルール決めたのに子どもが守ってくれない・・・
もしかしたらルールの決め方に課題があったかもしれません!
スマホは今の子どもたちにとって、生活に欠かせないモノとなりました。
しかし、いざお子様にスマホを与えるとなると、親としては心配事も多いですよね。
そこで本記事では、
をシンプルかつ詳細にご紹介します。
- 現役教育者
- 個別指導塾/講師 5年
- 集団塾運営/講師 4年
- 個別指導塾経営/運営 6年
- オンライン塾経営 3年目(現在)
年間300件以上の面談を行い、ご家庭内のスマホトラブルの相談にも数多く対応した経験も踏まえて解説します!
最も重要なポイントだけ先にお伝えしますと、
ことが解決の糸口となります。
本記事の手法を実行することで、スマホとの向き合い方を学びながら、着実にスマホと適切に向き合うための姿勢をお子様に育んでもらえるようになります。
目次を参照しながら、是非最後までご確認くださいね。
スマホルールを守らない中学生に効果的な3つの条件
何事も初期設定が命です。
いきなりルールを決めるのではなく、まず前提を揃える所から始めましょう。
【大前提】スマホは「親が子に貸している」モノ
まず、スマホルールを決める前の大前提として、
ということをお子様に理解してもらう必要があります。
学生割や家族割で本来の金額が分かりにくくなっていますが、スマートフォンは機種によっては本体代金が10万以上するモノもあり、さらには月額の通信費もかかります。
①ルールを最終的には「子どもが」決める
スマホルールを決める際には、
が非常に重要です。
親が一方的にルールを決めてしまうと、子どもは納得感を持てず、時間の経過とともにルールに従わなくなる可能性が高くなります。
中学生の時期は、『自分軸』が確立されていない時期です。
何を基準にモノゴトを決定するかを訓練する時期でもあり、親がルールを決めてしまうと、価値観形成のための貴重な経験を奪ってしまいます。
②ルールは極力「シンプル」に
また、スマホルールは極力「シンプル」にすることが大切です。
複雑なルールでは、子どもは理解しづらく、守りづらくなります。
以下の3つのポイントに絞って、シンプルなルールを作成することがおすすめです。
子どもと新たなルールを決めるときは「できそうなことから」「一歩ずつ」というスモールステップ方式にすることがポイントです。
【1.用途】なんのために使う?
- 勉強のため?
- 友だちと連絡を取るため?
- ゲームや動画鑑賞のため?
周りがみんな持っているから、という曖昧な理由ではなく、なんのために必要なのか?という観点で、子どもと一緒に考えましょう。
【2.時間】いつ使う?
次に、「使用時間」についてです。
- 学校から帰ってきてから夕飯まで?
- 夕食後から寝るまで?
- 寝る前に30分?
使用時間のルールは、日常生活をよくイメージしながら一緒に決めていきましょう。
時間設定のルールはシンプルかつ効果的です。例えば、
「21時まで使用可能」
とすれば、21時を明確な基準として、ルールを意識できるようになります。
今の生活習慣を元に、現実的に実施できるルールに落とし込むことが重要です。
【3.場所】どこで使う?
最後に、「使用場所」について。
- 自室?
- リビング?
- 外出先?
使用場所のルール設定も、時間と同様に非常に効果の高い方法になります。
場所に関するルール設定のポイントは、
ベッドでは使用しない
のような否定形ではなく、
リビングでのみ使用する
のように、肯定的なルールにしてください。
日常生活をよくイメージしながら一緒に設定していきましょう。
最近では、
トイレにスマホを持ち込んだまま、30分出てこないです・・・
というご相談もありました。
当然ですが、トイレ=用を足す所、です。
スマホを使用していい場所が増えれば増えるほど、スマホへ接触する機会が増え、手放せなくなってしまいます。
机=勉強するところ、のように、場所と行動には密接な関係があります。『???=スマホを使える所』を極力増やさないように注意しましょう。
③必ず「形」に残す
最後に、スマホルールは必ず
が大切です。
口頭での約束では、まず忘れられてしまいます。
少し大人っぽい感じで誓約書の形にすると、子どものモチベーションアップにも繋がります。
誓約書の例
最も簡単な誓約書の例としては、以下のような形です。
スマホ利用に関する誓約書
私は、以下のスマホ利用ルールを守ることを誓います。
1. スマホは 勉強のため、友だちと連絡を取るため に利用する。
2. スマホは 平日は夕食後の30分、休日は午前中 に利用する。
3. スマホは リビング で利用する。
以上のルールを守ることを誓います。
年月日:〇〇〇〇年〇〇月〇〇日
署名:〇〇 〇〇
誓約書を作成し、子どもが署名することで、ルールが明確に形に残ります。
私が加工した誓約書のデータもありますので、ご自由にダウンロードしてお使いください。
もし、ダウンロードがご不安な方は、お手数ですが以下からコピペしてご自身で加工をお願いいたします。
誓約書 兼 スマートフォン貸与契約書
(以下、甲という)と (以下、乙という)は、甲が貸与するスマートフォン(以下、端末という)の利用等に関して、次の通り合意したので本契約を締結する。
第1条(目的)
甲が購入した端末を乙が利用するにあたり、本契約を誠実に守ることとする。
第2条(端末の利用目的/時間)
- 基本は、 を目的として利用するものとする。
- 利用は朝 時から夜 時までとする。また、定期テストの 日前から終了までは利用をしない。
- 利用したいアプリがあるときは、乙から甲に申し出る。甲に無断でダウンロード利用はしない。
- LINEは、家族および学校関係の友人の間で最小限の利用を認める。
その他SNSサービス(Twitter/Facebook/Instagram等)利用は甲の許可を得ること。
第3条(端末利用の場所)
- 原則として、 で利用し、自室に持ち込まない。
- 食事中、入浴中、トイレ中の利用はしない。
- 就寝時と学習時は においておく。
第4条(監査)
甲は必要に応じて、端末の情報を確認することができる。実施の際は乙のプライバシーを尊重する。
第5条(罰則)
本契約が守られなかったときは、甲は乙に対して一定期間の利用禁止(端末の封印)を命じることができる。
第6条(有効期間)
- 本契約書の有効期間は、 年 月 日から 年 月 日までとする。
- 前項の定めに関わらず、甲は本契約を解約することができる。
第7条(協議事項)
本契約書に定めのない事項が生じたとき、甲乙が誠意を持って協議の上解決する。
以上、本契約の成立の証として、本書を2通作成し、甲乙は署名のうえ、それぞれ1通を保管する。
年 月 日
甲 乙
最初は簡単なルールからで構いません。大事なのは、定期的に一緒にルールを見直し、納得感を持ちながら徐々に細かくしていくことです。
子どもはなぜスマホルールを決めても守らないのか?
もしかしたらすでに様々な対策を講じているご家庭も多いことと存じます。
誓約書を書かせたこともあるんだけど、段々うやむやになっちゃって・・・
保護者様自身が、先に根を上げてはいませんか?
そもそもなぜルールを決めても守れないのでしょうか。
理由が分かると、必要以上にイライラしたり、焦ったりする必要もなくなります。
改めてお子様とスマホの課題に向き合うために、なぜスマホルールを決めても守れないのかも確認していきましょう。
親が勝手に決めたルールだから
親が一方的に決めたルールであればあるほど、子どもはルールに従わない可能性が高くなります。
親はあくまでも知識を補足するためのアドバイザーとなり、子どもが自分で考えてルールを決められるようサポートする姿勢でいることが大切です。
「他人に言われたらやりたくなくなる」作用もあります。親といえど他人。納得感のない強制は、むしろ反発の材料にすらなってしまいます。
うちは一緒にルール決めたから安心ね!
とも言い切れません!もしかしたら子どもは、親が勝手に決めたと思っているかも。
内閣府の実施した、令和4年度 青少年のインターネット利用環境実態調査、によると
ルールを決めている、と回答した割合は、
- 子(青少年)約63%
- 親(保護者)約77%
10%以上もスマホルールに関する認識に差があることが分かります。
決めたルールを子どもは忘れてしまうから
ルールを決めるときに口約束になっていませんでしたか?
人の記憶はあいまいなもの。
必ず、決めたルールを形に残していつでも確認できる環境にしておきましょう。
【クリック】人は忘れる生き物であるという前提~忘却曲線について~
人の記憶の定着度をわかりやすく表したツールとしてエビングハウスの忘却曲線というものがあります。
ポイントをザックリまとめてしまうと、
学習した状態を100%とすると、
- 1日後には74%を忘れる
- 復習すると100%に戻る
- 反復することで忘れにくくなる
ということです。
厳密にはこの通りにはなりませんが、
ルールを仮に100個決めたとしても、復習をしないと1日後には74個を忘れてしまう
というイメージです。
スマホが生活で必須な場面が増えたから
ルールを厳しく設定しすぎてはいませんか?
スマホは、学校や部活動、友達との交流のための連絡手段として必須な場面も増えています。
今後も、日常で使用する機会は増えることはあれど減ることはないでしょう。
単純にスマホを使用する時間が増えてしまうことは、仕方のないこととも言えます。
文部科学省の調査結果~勉強に使う場面が顕著に増加傾向にある~
特筆すべき点は、スマホを勉強で利用する割合が急激に増えていること。
平成30年度には37.6%だった状況から、令和4年度には72.1%にまで跳ね上がっています。
GIGAスクール構想の実現に向けて、スマホで勉強をすることも当たり前の環境になりつつあることが大きな要因の一つです。
中学生にとってスマホは魅力的すぎるから
スマホは、まさに娯楽の宝石箱。
スマホには、様々な魅力的なコンテンツがあり、スマホを使い過ぎてしまうことは必然とも言えます。。
だからこそ知っていただきたいことは、
というスマホ発展の背景についてです。
※私は、時間術大全、という書籍を読んだことで、スマホとの向き合い方を初めて真剣に意識するようになりました。
たしかに、私もついスマホを使いすぎてしまうことがあるわ。。
大人ですら、スマホの功名な誘惑に勝てない瞬間がありますよね。
まず、親自身がスマホのメカニズムを理解することが重要です。
その上で、子どもと一緒にスマホとの向き合い方を考えていきましょう。
スマホには依存性があるから
さらに厄介なことに、スマホには依存性があります。
ドーパミンを求めて特定の行動を繰り返すことは、依存のような状態に陥るためのよくあるルート。
スマホルールを時々守れない程度の段階であれば、まだ大丈夫です。
実際のスマホルール設定の後のおすすめアプローチ方法
実際にスマホルールを設定した後は、どのようなアプローチ方法がおすすめでしょうか。
以下に、おすすめのアプローチ方法をご紹介します。
親が手本を示す
まず、親が手本を示すことが大切です。
単純なことですが、子どもに
スマホを見ながらご飯食べないで!
と言いつつ、親が時々スマホを使いながらご飯食べてたら説得力ゼロですよね。
親自身が、子どもに言ったことを守り、姿勢で伝えていきましょう。
一緒に取り組む
また、親子で一緒に取り組むことも大切です。
例えば、一緒にスマホを使わずに過ごす時間を設けるなど、親子で協力して取り組むことがおすすめです。
誰かと共通の目標を持って取り組むことは、ルールを破りたくなった瞬間に相手の事を思い出し、踏みとどまりやすくなる効果があります。
定期的にルールを一緒に見直す
また、定期的にルールを一緒に見直し、細かいルールにしていくことも大切です。
子どもの成長や環境の変化、子どもの予期せぬ行動に応じて、ルールを見直し、徐々に最適なものにしていくことが大切です。
もちろん、その際も、親子で一緒に話し合いましょうね。
質問の仕方を変える
さらに、ルールを見直す際の質問では、
ではなく、
とすることが大切です。
「なんでできなかったと思う?」では、子どもは自分の失敗を責められているように感じ、
自分はスマホルールを守れないんだ
という感情を、脳に刻み込むことに繋がります。
悪い感情の刷り込みを積み重ねる質問の仕方は、悪手です。
「どうしたらいいか?」という質問をすることで、子どもの意識を、解決策を求める方向へ向けることができます。
戦略や努力をほめる
最後に、結果ではなく、お子様がとってきた戦略や努力をほめることも大切です。
子どもがスマホルールを守ろうと努力している場合でも、失敗することは当然あります。
それでも、親から
昨日は宿題先にやれてたね
と努力をほめられると、子どもは自信を持ち、次回も頑張ろうと思えるようになります。
これだけはNG!逆効果になる対応
一方で、以下のような対応はNGです。これらの対応は逆効果になるため、避けるべきです。
ペナルティが最初から厳しすぎる
スマホルールを守れなかった時のペナルティが最初から厳しすぎることはNGです。
ペナルティが厳しすぎると、そもそもルールを守ろうという意識すら起こらなくなるばかりか、親への不信感にも繋がります。
1回でもルール破ったら、一年間お小遣いなし
1回でも、って、そんなの無理に決まってんじゃんっ!!!やってらんね。
ルールを破った時のペナルティについても、ルールを決める際に親子で納得できる内容を探して一緒に決めてくださいね。
ルールで決めたペナルティを親が実行しない
また、ルールで決めたペナルティを親が実行しないこともNGです。
ちょっと厳しすぎるかしら。
親がペナルティを実行しない場合、子どもは
あれ?ペナルティないぞ?ということは・・・?
スマホルールを守る必要がない、と判断づけてしまいます。
スマホを取り上げる
最後に、スマホを強制的に取り上げることもNGです。
単純にいい気分がしないというのもありますが、
親=敵
という構図を一瞬で作ってしまい、親子の信頼関係にも悪影響を与えます。
お子様向けには、ゲーム機なども入れられるボックス型がおすすめ
まとめ:子どもが納得感を持てるルールづくりを一緒にしていきましょう
本記事では、スマホルールを守らない中学生をお持ちのご家庭様に向けて、
- スマホルールを決める際に効果的な3つの条件
- すぐに取り組めるアクションプラン
をご紹介しました。
- ルールは子どもが決める
- ルールはシンプルに
- ルールは形に残す
- 親子でスマホ利用に関する話し合いをする
- スマホ利用に関する誓約書を作成し、2部印刷する
- 定期的にスマホ利用状況やルールの見直しを行う
中学生がスマホルールを守らない場合でも、親子でコミュニケーションを取りながら、適切なスマホ利用方法を模索する姿勢が大切です。
今スマホルールがうやむやになっているご家庭様、そもそもルールを決めていかなかったご家庭様は、改めて親子でスマホ利用に関して時間を確保して話し合う時間をとりましょう。
もしご自身でどうしたらいいか分からないときは、一緒にスマホとの向き合い方を見つけてみませんか?
私自身は、塾でもできない部分をサポートするための指導を完全マンツーマン/オンライン形式で実施しておりますので、既存の塾や家庭教師でも補えない部分のフォローもお受けしております。
本記事が、お子様の健全な成長への一助となることを切に願っています!
- スマホを買い与える時期はいつが適切ですか?
-
スマホを買い与える時期については、個人差があります。一般的には、中学生になる前後が適切な時期とされていますが、子どもの成長や環境、親の考え方などによって異なります。そのため、親子で話し合いながら、適切な時期を決定することが大切です。
- ルールを決めるための話し合い自体が出来ない場合はどうしたらいいですか?
-
ルールを決めるための話し合い自体が出来ない場合は、まず親子関係を見直すことが大切です。親子関係が良好であれば、話し合いもスムーズに進むことができます。そのため、親子でコミュニケーションを取りながら、信頼関係を築くことが大切です。
- 子どもが自分のお金でスマホ代や通信費を払ってる場合はどうしたらいいですか?
-
子どもが自分のお金でスマホ代や通信費を払っている場合でも、スマホルールは必要です。ただし、そのような場合は、子どもの自主性を尊重することも大切です。そのため、親子で話し合いながら、適切なスマホルールを決定することがおすすめです。
- スマホを制限するフィルタリング機能は有効ですか?
-
スマホを制限するフィルタリング機能については、その効果について意見が分かれます。一部の専門家は、フィルタリング機能が有効であると主張しています。しかし、他の専門家は、フィルタリング機能ではなく、親子でのコミュニケーションが重要であると主張しています。そのため、フィルタリング機能の有効性については、個人差があります。
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